269: 名無しの司馬遷 2014/07/29(火)22:40:50 ID:OFl5C8ll0
マムルークたちが姿を消したので、イェニチェリたちにもそろそろご退場願おう。

少し時代を巻き戻す。

アレムダール・パシャに擁立されたオスマン帝国皇帝マフムト2世は、アレムダールが倒れた直後
実の兄である廃帝ムスタファの命を絶った。
非情で非道な措置だったが、これによってオスマン家の帝位継承権者は皇帝マフムトただ一人となる。
オスマン帝国の存続を前提とする限り、誰もマフムトを殺せない。
この手を打ったうえで、彼はひたすら雌伏した。
no title
マフムト2世は聡明だった。
セリム3世は正しい。帝国は衰えつつあり、否応なしに西方の異教徒たちの流儀を取り入れる以外、もはやこの帝国を守る方法はない。

巧妙に巧妙に、マフムトは一人思案をめぐらし人事を操り、宮廷の要職を徐々に改革派で固めていった。
目立たないところから少しずつ、軍の近代化を進め始めた。
そしてアーヤーンたちを討伐。地方で気ままに振る舞う領主たちの土地を没収し、再び国庫に組み込む。
こうして機は次第に熟していく。
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