148: 名無しの司馬遷 2014/07/22(火)22:34:25 ID:l6OgZMbRm
イスラーム世界の三代帝国が斜陽を迎えるころ、広大なユーラシア大陸の北半に巨大な帝国が誕生しつつあった。
北方の巨人、ロシア。
この帝国の動向は、これより以降のイスラーム世界を語るうえで不可欠となる。

ことの起こりは13世紀中葉、中央ユーラシアをモンゴル帝国の覇権が覆ったこと。

「魔王」チンギス・ハンの孫バトゥはアラル海よりカスピ海、そして黒海北方に続く
カザフステップとウクライナの草原を征服し、その北に広がる暗い森林に兵を進めた。

そこには当時、ビザンツ帝国の影響のもとでキリスト教の東方正教を奉じ、
「ルーシ」と総称される国々があった。

ルーシ諸国はバトゥの猛襲の前に相次いで屈服し、その後長らくバトゥの子孫たちに従属する。
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